<実技試験編>「キャリアコンサルタント試験の試験科目及びその範囲並びにその細目 」を読み込む
2024.04.09更新
「キャリアコンサルタント試験の試験科目及びその範囲並びにその細目 」の実技試験、「2 相談過程において必要な技能」の読み合わせをします。 実際に読み込んでみると、ロープレ試験を受けるにあたってどのような点に留意すれば良いかを理解できます。下に全体資料へのリンクを載せておきますので、取得して学科試験部分も含め読み込んでみることをお勧めします。
【キャリアコンサルタント試験の試験科目及びその範囲並びにその細目】
このコンテンツは「夢ロープレ研究室情報発信メルマガ」に投稿した記事に加筆したものです。
1)相談場面の設定
① 相談を行うにふさわしい物理的な環境、相談者が安心して積極的に相談ができるような環境を設定することができること 。
② 相談を行うに当たり、受容的な態度(挨拶、笑顔、アイコンタクト等)で接することにより、心理的な親和関係を相談者との間で確立することができること。
③ 主体的なキャリア形成の必要性や、キャリアコンサルティングでの支援の範囲、最終的な意思決定は相談者自身が行うことであること等、キャリアコンサルティングの目的や前提を明確にすることの重要性について、相談者の理解を促すことができること。
④ 相談者の相談内容、抱える問題、置かれた状況を傾聴や積極的関わり技法等により把握・整理し、当該相談の到達目標、相談を行う範囲、相談の緊要度等について、相談者との間に具体的な合意を得ることができること。
これらを通しで読むと「安心して積極的に相談」「受容的な態度」「心理的な親和状態」「相談者との間に具体的な合意を得る」というように相談者との向き合い方についてが強調されています。
また、「傾聴」「積極的関り技法」を相談内容の把握、抱える問題、置かれた状況の把握のために使うとされており、相談内容等に応じて「傾聴」と「積極的関り技法」の各技法を組み合わせることが求められています。
これらはざっと読むと残りませんが、実際のロープレをイメージしながら読み込むと、いろいろな気づきを与えてくれます。
2) 自己理解への支援
① キャリアコンサルティングにおける自己理解の重要性及び自己理解を深めるための視点や手法等についての体系的で十分な理解に基づき、職業興味や価値観等の明確化、キャリアシート等を活用した職業経験の棚卸し、職業能力の確認、個人を取り巻く環境の分析等により、相談者自身が自己理解を深めることを支援することができること。
② 面接、観察、職業適性検査を含む心理検査等のアセスメントの種類、目的、特徴、主な対象、実施方法、評価方法、実施上の留意点等についての理解に基づき、年齢、相談内容、ニーズ等、相談者に応じて適切な時期に適切な職業適性検査等の心理検査を選択・実施し、その結果の解釈を適正に行うとともに、心理検査の限界も含めて相談者自身が理解するよう支援することができること。
3) 仕事理解への支援
① キャリア形成における「仕事」は、職業だけでなく、ボランティア活動等の職業以外活動を含むものであることの十分な理解に基づき、相談者がキャリア形成における仕事の理解を深めるための支援をすることができること。
② インターネット上の情報媒体を含め、職業や労働市場に関する情報の収集、検索、活用方法等について相談者に対して助言することができること。
③ 職務分析、職務、業務のフローや関係性、業務改善の手法、職務再設計、(企業方針、戦略から求められる)仕事上の期待や要請、責任についての理解に基づき、相談者が自身の現在及び近い将来の職務や役割の理解を深めるための支援をすることができること。
自己理解と仕事理解への支援については、実技試験と言っても論述試験が中心になります。論述試験の設問4ではこの部分が中心になります。
ロープレ試験はインテーク面談の最初の15分なので、実技でここまでくることはありません。キャリ協の口頭試問では今後の相談の方針についての問いに対する回答として説明するくらいかと思います。
4) 自己啓発の支援
① インターンシップ、職場見学、トライアル雇用等により職業を体験してみることの意義や目的について相談者自らが理解できるように支援し、その実行について助言することができること。
② 相談者が啓発的経験を自身の働く意味・意義の理解や職業選択の材料とすることができるように助言することができること。
5) 意思決定の支援
① 自己理解、仕事理解及び啓発的経験をもとに、職業だけでなくどのような人生を送るのかという観点や、自身と家族の基本的生活設計の観点等のライフプランを踏まえ、相談者の中高年齢期をも展望した中長期的なキャリア・プランの作成を支援することができること。
② 相談者のキャリア・プランをもとにした中長期的な目標や展望の設定と、それを踏まえた短期的な目標の設定を支援することができること。
③ 相談者の設定目標を達成するために必要な自己学習や職業訓練等の能力開発に関する情報を提供するとともに、相談者自身が目標設定に即した能力開発に対する動機付けを高め、主体的に実行するためのプランの作成及びその継続的見直しについて支援することができること。
6) 方策の実行の支援
① 相談者が実行する方策(進路・職業の選択、就職、転職、職業訓練の受講等)について、その目標、意義の理解を促し、相談者が自らの意思で取り組んでいけるように働きかけることができること。
② 相談者が実行する方策の進捗状況を把握し、相談者に対して現在の状況を理解させるとともに、今後の進め方や見直し等について、適切な助言をすることができること。
7) 新たな仕事への適応の支援
① 方策の実行後におけるフォローアップも、相談者の成長を支援するために重要であることを十分に理解し、相談者の状況に応じた適切なフォローアップを行うことができること。
8) 相談過程の総括
① キャリアコンサルティングの成果や目標達成具合を勘案し、適正だと判断できる時点において、相談を終了することを相談者に伝えて納得を得た上で相談を終了することができること。
② 相談者自身が目標の達成度や能力の発揮度について自己評価できるように支援すること、またキャリアコンサルタント自身が相談支援の過程と結果について自己評価することができること。
「方策の実行の支援」と「相談過程の総括(終結)」は学科試験でもよく取り上げられるところなのでご注意ください。キャリコンはクライエント中心主義に則ってクライエントが自ら考え、判断し、実行することを支援する、というスタンスを分かっておけば、そのような問題は簡単に解くことができます。