【完全攻略】キャリアコンサルタント論述試験対策講座(キャリ協編)
2025.08.09投稿
合格レベルの答案がサクッと書けるようになる!
キャリアコンサルタント国家資格の取得を目指す皆さん、こんにちは!
「夢ロープレ研究室」です。
学科と実技面接、それぞれの対策に追われる中で、多くの受験生が「最後の壁」として立ちはだかるのが、実技(論述)試験ではないでしょうか。
「何から手をつけていいか、さっぱり分からない…」
「勉強してるつもりなのに、点数が一向に伸びない…」
「そもそも、採点基準が謎すぎて、対策の立てようがない!」
もしかして、あなたもこんな悩みを抱えて、途方に暮れていませんか?
でも、安心してください。この試験には、ハッキリとした「評価基準」と、合格答案を作るためのすための「型」*が存在するんです。この「型」を知っているかどうかが、文字通り合否を分けます。
この講座では、論述試験の本質から、設問ごとの具体的な攻略法、そして一発で合格レベルの答案を作成するためのテクニックまで、出し惜しみなく全てお伝えします。
この記事を最後まで読み終える頃には、あなたの論述試験に対するモヤモヤとした不安は消え去り、「これなら書ける!」という自信に満ちているはずです。
この記事の構成
- 第1章:論述試験のホントの姿を知ろう ― なぜ「創作」ではなく「宝探し」のテストなのか?
- 第2章:設問の意図を丸裸にする ― 採点者はあなたの「どこ」を見ている?
- 第3章:設問別・実践的な解き方と解答例 ― 合格答案の具体的なレシピ
- 第4章:合格を掴むための総仕上げ ― これだけは覚えて帰って!5つの黄金ルール
さあ、私たちと一緒に論述試験の完全攻略、はじめましょう!
第1章:論述試験のホントの姿を知ろう ― なぜ「創作」ではなく「宝探し」のテストなのか?
はじめに、この試験を攻略するうえで、最も大切な「心構え」からお伝えしますね。
それは、論述試験とは「採点基準という名のチェックリストを埋めていくゲーム」だということです。
「え、当たり前じゃない?」と思うかもしれませんが、この意識こそが全てのスタートラインになります。
この試験は、あなたの素晴らしい文章力や独自の考察を披露する場ではありません。採点者は、あらかじめ用意された「採点基準」というリストを片手に、あなたの答案に書かれているキーワードやフレーズを、一つひとつチェックしているだけなのです。
では、その「採点基準」の正体とは何なのでしょうか。
答えは、「事例記録の中に散りばめられたキーワードと、その文章の意味」です。
もうお分かりですね? ここから導き出される結論は、驚くほどシンプルです。
【結論】論述試験は、事例記録のどこを正確に「抜き出して」これるかを試すテストである。
あなたがキャリアコンサルタントとして、相談者の話の中から大事なポイント(主訴、問題、感情、価値観など)を的確にキャッチし、整理して言葉にできるか。その能力を、答案用紙の上で見ているのです。
ですから、勉強の第一歩は、「ゼロから何かをひねり出す」というクリエイティブな意識を、思い切って捨てることから始まります。答えの根拠は、全て問題文(事例記録)の中に眠っています。あなたの仕事は、文章を「創作」することではなく、その宝のありかを見つけ出し、採点者に「ここにありますよ!」と分かりやすく示してあげることなんです。
この本質を理解するだけで、肩の力がフッと抜け、論述試験への取り組み方が180度変わるはずですよ。
第2章:設問の意図を丸裸にする ― 採点者はあなたの「どこ」を見ている?
論述試験は、だいたい4つの設問で構成されています。これ、実はバラバラに並んでいるわけではなく、実際のキャリアコンサルティングのプロセスに沿って作られているんです。だから、各設問にはちゃーんと評価したい意図が隠されています。
それぞれの設問で「何が問われているのか」を正確に理解することが、的外れな解答を避け、得点に直結する答案を作るための近道です。
設問 | 内容 | 評価される能力 |
設問1 | 相談の概要 この人は何に悩んでいる? | 主訴の把握力 (カウンセリングの入口) |
設問2 | CCの応答意図 なぜこの質問をしたの? | 面談の技法理解 (カウンセリングの技術) |
設問3 | ①相談者の問題 ②その根拠 | 見立て力 (専門家としての分析力) |
設問4 | 今後の方針 これからどう支援する? | 展開力 (具体的な支援計画力) |
それでは、一つずつ噛み砕いて見ていきましょう。
設問1「相談の概要」:悩みのど真ん中を掴む力(主訴把握力)
ここでは、**「で、この相談者さんが本当に話したいことは何なの?」**という、悩みの核心(=主訴)を、あなたが正確に掴めているかが問われます。相談の入口で、クライエントの心の叫びをキャッチする力が試されています。
設問2「キャリアコンサルタントの応答意図」:面談の流れを読む力(技法理解)
キャリアコンサルタントが発する言葉には、一つひとつに必ず意図があります。なぜこのタイミングで、この言葉を投げかけたのか。その意図を読み解けるか、つまり、あなたの面談テクニックへの理解度がチェックされています。
設問3「あなたが考える相談者の問題」:専門家としての「見立て力」
ここが、あなたが「プロのキャリアコンサルタント」であることを示す、一番の見せ場です。相談者の言葉の断片から、その人が抱えているキャリア上の根本的な課題を、専門家の視点で見抜く力が問われます。もちろん、「なんとなく」ではダメで、事例記録のこの部分を根拠に、と示す必要があります。
設問4「今後の方針」:未来をデザインする力(展開力)
設問3で見立てた問題に対して、**「じゃあ、これから具体的にどうサポートしていくの?」**という支援計画を示す力が問われます。問題を解決するための道筋をロジカルに描き、実行可能なプランを立てる「展開力」が評価されます。
お気づきでしょうか? この4つの設問は、**「悩みを聴き(設問1)→ 意図を汲み取り(設問2)→ 問題を分析し(設問3)→ 解決策を考える(設問4)」**という、キャリアコンサルティングの一連の流れそのものなんです。
そして、何より大事なのが、これら4つの解答に、1本の筋が通っていること(一貫性)。設問1から設問4までが、まるで一つの物語のように繋がっている答案が、最も高く評価されるのです。
第3章:設問別・実践的な解き方と解答例
お待たせしました! ここからは、各設問の具体的な攻略法を、NG例も交えながら分かりやすく解説していきます。
設問1:「相談の概要」はこう書けばOK!
【問われていること】
相談者がこの面談で「結局、何について相談したいのか」をまとめる問題です。
【解答のポイント】
一番のコツは、「キャリアコンサルタントとして、相談者の話を要約してあげる」という視点を持つことです。相談者が冒頭で言ったことだけを書くのではなく、やり取りを通してハッキリしてきた「相談したいことの核心」を捉えましょう。これは、あくまで相談者から見た悩みを書く、ということです。
相談者の悩みは、突き詰めるとだいたいこの2パターンに落ち着きます。
- 選択葛藤:「AとB、どっちを選べばいいの…?」
- 方向性模索:「これから、どうしたらいいんだろう…?」
このどっちのパターンかを意識するだけで、驚くほど解答が作りやすくなります。
【魔法の解答テンプレート】
- (選択葛藤の場合)「相談者は、〜というAと〜というBの間で、どちらを選ぶべきか決められずに悩んでいる。」
- (方向性模索の場合)「相談者は、〜という状況の中、今後どう行動していけば良いか分からず、途方に暮れている。」
この型に、事例記録から抜き出したキーワードをはめ込むだけで、誰でも簡潔で的確な解答が作れます。
設問2:「CCの応答意図」は”前後”を見よ!
【問われていること】
下線が引かれたキャリアコンサルタントの応答が、「どういう意図で」行われたかを説明する問題です。
【解答のポイント】
意図を読み解く最大のヒントは、下線部の「前後」にある相談者の発言の変化に隠されています。
相談者の発言① → 【CCの応答(下線部)】 → 相談者の発言②
この流れに注目してください。「CCの応答」を挟んで、相談者の発言がどう変わりましたか?(例:話が具体的になった、感情が出てきた、視点が変わったなど)。この変化こそが、応答の意図を教えてくれる何よりの証拠です。
CCの質問や応答の意図は、だいたい以下のパターンに分類できます。これを引き出しとして持っておくと、分析がグッと楽になります。
- ① 話題を絞り込む意図:話が色々な方向に飛んでいる時に、特定のテーマにグッと焦点を当てる。
- ② 話題を変える意図:話が行き詰まった時に、別の角度からアプローチする。
- ③ 本人の考えや理解を確認する意図:本人が自分の状況や気持ちをどう思っているかを確認し、自己探索を促す。
- (その他)感情を深掘りする意図:事実の裏にある「本当の気持ち」を引き出す。
- (その他)自己探索を促す意図:本人に内省を促し、「ハッ」とした気づきを得てもらう。
解答では、「〜という相談者の発言を受け、〜を促す(明らかにする)意図で、この質問をした」というように、「なぜ(意図)、何をしたのか(応答)」がセットで伝わるように書きましょう。
設問3:「相談者の問題」は”未来”から逆算せよ!
【問われていること】
プロの視点から見た「この相談者の課題(問題点)」を挙げ、その根拠を相談者の発言から引用して示す問題です。ここが専門家としての腕の見せ所!
【解答のポイント】
ここでの「問題点」とは、相談者本人は気づいていないかもしれないけれど、キャリアを築く上で足かせとなっている根本的な課題のことです。
考えられる問題点の主なカテゴリは、以下の通りです。
- ① 認知の歪み:「〜すべきだ」といった思い込み、白黒思考など、硬直的な考え方。
- ② 自己効力感・自己肯定感の低下:「どうせ私なんて…」という自信のなさや、やる気の不足。
- ③ 情報不足:客観的な事実を調べたり、誰かに相談したりしていないなど、判断材料が足りない状態。
- ④ 自己理解不足:自分の興味、価値観、強みといった「自分のこと」が分かっていない状態。
- ⑤ 仕事理解不足:希望する仕事や業界、または今の仕事について、理解が浅い状態。
- ⑥ コミュニケーション不足:周りとの意思疎通がうまくいかず、孤立している状態。
【解答の際の超重要ポイント】
- 設問4との連携を意識する!:これが一番大事!設問4で「こんな支援をします」と提案できないような問題点を挙げても意味がありません。「この問題を解決するために、次の設問4でこんな支援を提案しよう」と、未来から逆算して問題点を選ぶのが、賢いやり方です。
- 根拠を必ずセットで示す:「相談者の『〇〇』という発言から、〜という自己理解不足が問題だと考えられる」のように、「どの発言」が「どの問題」の根拠なのかを、必ずペアで書きましょう。
- 問題点を欲張りすぎない:あれもこれもと挙げるより、中心的な問題を1〜2点に絞って深く論じる方が、説得力が増します。
設問4:「今後の方針」は”具体的”が命!
【問われていること】
設問3で挙げた問題点を解決するために、これからどんな風に支援していくのか、その計画(方針)を具体的に書く問題です。
【解答のポイント】
設問3と設問4は、「分析」と「解決策」でニコイチの関係です。設問3で挙げた問題点を、一つ残らず拾い上げて、それぞれに対応する支援策を書きましょう。
【これが合格答案の条件だ!】
- 設問3の見立てとズレていないこと。
- 対応策が超具体的であること。
- キャリアコンサルタントらしい専門用語がキラリと光ること。
例えば、「自己理解不足」と「仕事理解不足」を問題点として挙げた場合の解答を考えてみましょう。
【こんな答案はもったいない!NG例】
- 誰にでも使える一般論:「傾聴と共感を大切に支援します」では、具体性がゼロです。
- 支援策の単なる羅列:「まず〜し、その次に〜する」のように、支援の順番や流れが分かるように書きましょう。
- 今さらな関係構築:論述試験の事例は、すでに関係構築はある程度できている前提です。「ラポール形成に努める」は不要な場合がほとんど。
- ツールの目的が不明:「VPI職業興味検査をします」だけでは不十分。「なぜ」それを使うのか(例:興味の方向性を明確にし、自己理解を深めるため)という目的を必ず書き添えましょう。
- 見立てと方策のミスマッチ:挙げた問題と、提案する支援策がちぐはぐになっていないか、最後にもう一度確認を!
第4章:合格を掴むための総仕上げ ― これだけは覚えて帰って!5つの黄金ルール
最後に、これまでの内容をぎゅっと凝縮した、合格答案を作るための「5つの黄金ルール」をおさらいしましょう。試験当日は、これを思い出してください。
- 思考の範囲は「問題文の中」だけ!書かれていないことを想像したり、自分の経験で判断したりするのは絶対にNG。あなたの世界は、与えられた事例記録の中だけです。
- 論述は「創作」にあらず、「抽出」なり!物語を作るのではなく、問題文の中から答えの根拠となるキーワードや発言を「探し出して、抜き出す」作業に徹しましょう。
- 設問の「意図」を常に考えよ!「この設問は、私の何を知りたいんだろう?」と出題者の気持ちになることで、解答のブレがなくなります。
- 各設問の「見るべきポイント」を逃すな!設問1なら「悩みの核心」、設問2なら「応答前後の変化」、設問3なら「支援につながる問題」、設問4なら「具体的な解決策」。見るべき場所は決まっています。
- 「誰にでも言えること」を書いた答案は、誰の心にも響かない!「その相談者」だからこその、超具体的な記述を心がけましょう。それが、評価される答案です。
おわりに
キャリアコンサルタントの論述試験は、決して雲を掴むような試験ではありません。正しい地図(=採点基準)を持ち、正しいコンパス(=解き方)を使えば、誰だって必ずゴールに辿り着けます。
この講座が、暗いトンネルの中を手探りで進むようなあなたの不安を、明るい未来への確信に変える「光」となれば、これほど嬉しいことはありません。
さあ、過去問を開いて、今日学んだ視点でもう一度解いてみてください。昨日とは全く違う景色が見えるはずです。
あなたの挑戦を、心から応援しています!
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