【第30回キャリコン試験にむけて】3つの時代で読み解く!データ分析で学科試験合格をつかむ新・学習戦略
2025.09.01投稿

キャリアコンサルタント試験の受験生のみなさん、こんにちは。
試験が近づくにつれ、カタカナの理論家たちが頭の中で大渋滞…なんてことになっていませんか?
「スーパーにシャイン、クランボルツ…結局、誰から覚えるのが正解なの?」
「範囲が広すぎて、どこから手をつければいいか途方に暮れている…」
その焦り、痛いほどよく分かります。ですが、やみくもな丸暗記はもう必要ありません。もし合格への最短ルートを示す「地図」があるとしたら、知りたくありませんか?
実は、過去29回分の試験データを丁寧に分析すれば、出題傾向の「大きな波」がはっきりと見えてきます。試験は時代を映す鏡。働き方が変われば、問われる理論も変わるのです。
この記事では、膨大な過去問データを「黎明期」「発展期」「今」の3つの時代に分けて徹底分析します。単なる出題ランキングではない、時代の変化という視点から、次の第30回試験で本当に点が取れる「新・学習戦略」をズバリ提案します。
少し長くなりますが、読み終える頃には、あなたの不安は「これならやれる!」という確信に変わっているはずです。
なぜ「時代」で分けるのか? 試験の歴史から未来を予測する
効率よく合格点を取るために、試験の歴史を3つの時代に区切って、出題傾向の「物語」を読み解いていきましょう。
- 黎明期(第1回~10回):試験の「土台」が築かれた、王道の理論家時代
- 発展期(第11回~20回):多様な理論が登場!「個人の意思決定」に光が当たった時代
- 今(第21回~29回):働き方の今を映す!「キャリア構築」と「転機」の時代へ
この変遷を追うことで、「かつてのエース」と「今の主役」がくっきりします。つまり、次の試験で出題される可能性が極めて高い、”狙い目”の理論家が分かるのです。
黎明期(第1回~10回):すべてはここから!キャリア理論「三大巨頭」の時代
この時期の試験は、まさにキャリア理論の基礎を築いた巨人たちが主役でした。出題数を見ても、スーパー、シャイン、ホランドの3名が他を圧倒する存在感を放っています。
- スーパー: 「キャリア発達論の父」。ライフステージやライフキャリアレインボーといった根幹概念は、この頃からすでに出題の中心でした。
- シャイン: 「組織内キャリア」の大家。キャリア・アンカーなど、組織と個人の関係を問う問題の常連でした。
- ホランド: RIASEC(VPI職業興味検査)はあまりにも有名ですね。特性因子論に基づいたアセスメントの考え方が重視されていました。
この時代は、「組織の中で、いかに個人のキャリアを育てていくか」という視点が色濃く反映されています。まずはこの土台を理解しているかが問われた、まさに王道の時代でした。
発展期(第11回~20回):変化の兆し!「個人の主体性」への注目
中期に入ると、出題傾向に面白い変化が見られます。スーパーは依然としてトップを快走し、シャインも高頻度を維持する中、新しいスターたちが続々と頭角を現し始めます。
この時代のキーワードは、「変化への対応」と「個人の主体的な意思決定」です。
- クランボルツ: 「計画された偶発性理論」が本格的に登場!「キャリアは計画通りじゃなくてもOK。偶然をチャンスに変えよう」という考え方が注目され始めました。
- バンデューラ: 「自己効力感(やればできる!という自信)」が頻出ワードに。個人の認知が行動にどう影響するかが問われるようになります。
- サビカス: この頃から着実に出題数を増やし、後の主役となるための土台を築き始めます。「キャリア構築」という、より主体的な視点が新鮮でした。
社会が複雑になり、個人の選択が重要視され始めた空気を映すように、意思決定のプロセスや変化に立ち向かうための心理的側面にスポットライトが当たり始めた時代です。
今(第21回~29回):激動!サビカス&シュロスバーグのWエース時代へ
そして、現在の試験傾向を最も強く反映しているのがこの直近の期間。ここでの変化は、もはや「兆し」ではなく「地殻変動」です。
スーパーは変わらず重要ですが、注目すべきはサビカスの驚異的な台頭、そしてシュロスバーグの大躍進です。直近のデータでは、なんとこの二人がスーパーと並ぶほどの出題数を記録しています。
一方で、黎明期にあれだけ隆盛を誇ったシャインの出題は激減しています。これは、終身雇用を前提とした組織内キャリア論だけでは、今の多様な働き方(フリーランス、副業、頻繁な転職など)を語れなくなってきたことの、何よりの証拠でしょう。
この時代の最重要テーマは、間違いなくこの2つです。
「キャリア構築(Career Construction)」と「転機(Transition)」です。
- サビカス: 彼の「キャリア構築理論」は、もはや今のキャリア支援の思想そのもの。ナラティブ・アプローチなど、実践的な概念も含めて深く理解することが合格の絶対条件です。
- シュロスバーグ: 彼女の「転機理論(4Sモデル)」は、変化の激しい今に必須の視点。人生のあらゆる転機をどう乗り越えるか、という超実践的な理論が、今まさに求められています。
結論:第30回試験に向けた「新・学習戦略」はこれだ!
3つの時代の物語を踏まえ、あなたの貴重な学習時間を最大化するための最終戦略を提案します。
Tier 1:最重要コア理論(学習時間の50%)
まず押さえるべきは、スーパー、サビカス、シュロスバーグの3人です。彼らを「新・御三家」と呼びましょう。出題の歴史がその重要性を証明しています。
スーパーの「キャリア発達」という生涯にわたる時間軸の視点。
サビカスの「キャリア構築」という主体的にキャリアを創る視点。
シュロスバーグの「転機」という変化への対応力を問う視点。
この3つの視点を理解すれば、今のキャリア理論の全体像が立体的に見えてきます。「なぜサビカスはスーパーの理論を発展させたのか?」といった、理論同士の関係性まで語れるレベルを目指しましょう。
Tier 2:合否を分ける頻出理論(学習時間の30%)
次に、バンデューラ、クランボルツ、ロジャーズ、ホランドです。新・御三家に次ぐ重要理論家たちで、「自己効力感」や「計画された偶発性」は頻出ですし、ロジャーズの「三条件」はカウンセリングの基本として不変。ホランドの「RIASEC」もアセスメントの基礎として安定して出題されます。ここを押さえれば、合格ラインはぐっと近づきます。
Tier 3:コスパ重視の基礎理論(学習時間の20%)
シャイン、パーソンズ、エリクソンなどがここに含まれます。かつての主役たちですが、今は深追い禁物です。「理論家名とキーワード」を確実に結びつける、コストパフォーマンスを重視した学習で十分です。特にシャインは過去問でよく見るので重要だと錯覚しがちですが、直近の優先度は下がっていると冷静に認識することが、賢い戦略です。
最後に:理論は、あなたの「武器」になる
忘れないでください。この勉強は、学科試験のためだけじゃありません。
論述で事例を見立てる時、面接で相談者の話を聴く時、理論はあなたの支援に「深み」と「説得力」を与えてくれる最強の武器になります。
「この方は今、シュロスバーグの言う『転機』の真っ只中にいる。だからこそ、サビカス的な視点で自己の物語を再構築する支援が必要かもしれない」
こんな風に考えられたら、あなたのコンサルティングは一気にプロフェッショナルなものになるはずです。
時代の流れを読み解けば、試験が私たちに何を求めているかが見えてきます。データに基づいた戦略で、不安を自信に変え、万全の態勢で本番に臨んでください。