
3月に実施されました第28回キャリアコンサルタント試験の結果発表がキャリアコンサルティング協議会(キャリ協)、日本キャリア開発協会(JCDA)から発表になりましたので結果を整理しました。今後の受験の際に参考にしてください。
全体のまとめ(今回は学科試験3,594人、実技試験3,099人が合格)
JCDAの実技試験合格率が通常ベースに
今回の特徴は学科試験が久々に70%台の合格率だったこと、JCDAの実技試験の合格率が70%水準だったのが通常ベースに戻ったことがあげられると思います。学科試験については数回前には80%台の合格率だったので、驚くようなものではありません。またJCDAの実技試験の合格率については、そもそも70%水準という合格率が異常だったので、普通に戻っただけです。その意味で、今回はよくまとまった結果になったといえると思います。

<出典>
◆キャリアコンサルティング協議会:第29回キャリアコンサルト試験結果(PDF)
◆キャリア開発協会:第29回キャリアコンサルタント試験結果(PDF)
受験者数

受験者数は学科試験、実技試験とも前年同期(第26回)に対しほぼ同じ水準でした。7月に行われる試験は、毎回前回に対し大きく減少するので、通常通りと思います。
合格率

【学科試験】
学科試験は72.7%と前回の68.4%から合格率が上昇しています。第24回の急落ショックから傾向が変わったように感じますが、大体合格率70%のところに収斂してきているように感じます。今回は極端に重箱の隅をつつく問題と、誰でも解けるような極端に簡単な問題が出たのが特徴でした。次回もそのような傾向が出るのでしょうか?
【実技試験】
合格率64.3%と前回の67.7%から下がっています。とは言っても概ね65%という水準通りです。今回はJCDAが64.5%とここのところの70%水準という極端に高い合格率から普通の合格率に戻りました。さすがにキャリ協との合格率との差が大きすぎて調整したのかな?と感じています。
実技試験の合否は150点満点の90点以上という絶対評価で決まるとされています。ただ、これまでの試験結果を見て、私は、実技試験は合格ラインを何点以上という絶対的な点数ではなく、上位何%のところ、という相対的な位置で決められているのではないかという見方をしています。ちょっと統計学を学んだ方であれば、絶対評価であれば上記グラフのように横一直線にはならず学科試験のようなグラフになることが分かると思います。
【学科、実技試験同時受験者】
学科、実技試験同時受験者は3,690人、合格者は2,055人であり合格率は55.7%でした。前回の55.9%とほぼ同じ水準です。試験機関ごとにみるとキャリ協の合格率は54.9%(前回:54.8%)でJCDAは58.5%(前回:60.0%)であり、以前より差は縮まりました。
受験団体・受験資格別実績

【学科試験】
養成講座修了者が実務経験者より合格率が高い傾向は変わりません。ただ、合格率の差に注目すると第27回は▲7.4%、第28回は▲8.8%と差が拡大し今回は▲9.8%とさらにその差が拡大しました。キャリ協とJCDAで合格率の差に大きな違いが無いので、問題が難しくなっているといえるかもしれません。
【実技試験】
養成講座修了者と実務経験者の差は▲5.4%と前回の▲8.8%に対し縮小しました。キャリ協は養成講座修了者と実務経験者ともに合格率64.2%と差が無かったことから全体の差が縮まりました。一方でJCDAの結果をみると前回が▲26.9%、今回が▲25.1%とあまり変化がありません。この結果を見るとやはり実務経験者資格で受験される方はキャリ協で受験すべきでしょう。
まとめ
国家試験キャリアコンサルタント試験の第29回の試験結果を見てきました。キャリ協では実技試験の合格率は養成講座修了者と実務経験者とで殆ど変わらなくなってます。一方で実務経験者が学科試験に苦労している状態が結果から読み取れています。
私は養成講座に申し込んで半年かけて受験をするというのは時間とコストの点で無駄が多いので、実務経験者として受験資格を持っているのなら、サクッと実務経験者資格で2~3ヶ月で試験を受けて4ヶ月後には資格を登録!というのをお勧めしています。なかなか主流にはなりそうにないですね。
夢ロープレ研究室の国キャリ試験対策講座のご案内
夢ロープレ研究室が提供する国家資格キャリアコンサルタント試験対策講座は、特に面接ロールプレイング(ロープレ)や論述試験に課題を抱える受験生を対象とした講座です。単なる練習の繰り返しではなく、質の高い振り返りと自主学習を重視しています。
講座の特長は、独自の「ロープレ振り返りチェックシート」で課題を可視化し、具体的な改善点を把握できる点です。また、AIによる客観的な「ロープレ添削」で、確実なスキルアップをサポートします。傾聴スキルや展開力などを高める独自のトレーニングメソッドも魅力です。
講座は「学科試験対策」「ロープレ特訓」「論述試験対策」など単独のほか、セット講座も用意されています。さらに、受験生同士で実践練習ができる「ロープレ道場」も開催しており、多角的なサポートを通じて、合格に必要な知識、スキル、自信をバランス良く身につけることを目指しています。
詳細は以下のページをご参照ください。
運営会社
ソーニョプランニング株式会社
