JCDAロープレ試験対策
具体的な事例で学ぶ「経験代謝」の深め方
実践トレーニングテキスト
経験代謝とは
JCDAの実技試験で求められるのは、単なる問題解決ではありません。クライエントが自身の「経験」をありありと語り、そこにある「意味」に気づくプロセス(経験代謝)の支援です。
第1章
最初の5分間を制する「具体化」
1. 来談目的の「受容」と「共感」
「最近、今の仕事が自分に向いていないんじゃないかと思うことが増えて…。同期はみんな活躍しているのに、自分だけ取り残されている気がするんです。」
事柄のみの応答
「仕事が向いていないと感じ、同期の活躍と比べて取り残されている気がするのですね。」
感情・意味の汲み取り
「仕事への適性に不安を感じていらっしゃるのですね。周りと比べてしまい、**焦るような、どこか寂しいようなお気持ち**があるのでしょうか。」
【解説】
事柄のオウム返しは「事実確認」に過ぎません。CLが言葉にしていない「焦り」「寂しさ」を言語化(仮設提示)することで、「深いところを分かろうとしてくれている」という信頼が生まれます。
2. 「場面」の特定:抽象から具体へ
「上司との関係がうまくいっていなくて、毎日が苦痛なんです。」
抽象的な質問(NG)
「上司のどんなところが苦手なのですか?」「いつからそう思うのですか?」
場面を特定する質問(OK)
「毎日が苦痛と感じるほどなのですね。最近、**そのことを特に強く感じた『具体的な出来事』**を一つ教えていただけますか?」
【解説】
「上司との関係」はまだ「あらすじ」です。JCDAで最も多い失敗は場面を特定しないことです。開始3分前後で「いつ、どこで、誰と」の出来事に誘導しましょう。
第2章
経験の再現(追体験)の深化
3. 「キャンバスに絵を描く」問いかけ
CC
「その会議室で上司から指摘を受けた時、〇〇さんの目には**どのような光景**が映っていましたか?」
「…上司の険しい顔と、周りの同僚が下を向いている姿が見えました。」
CL
CC
「その光景を見て、その瞬間、**心の中に浮かんだ言葉**はありましたか?」
「『あぁ、また私だけダメなんだ』って…。すごく惨めな気持ちでした。」
CL
【解説】
光景、声、空気感を尋ねることでCLは当時の感情に深く繋がります。語る言葉が「解説(事後の解釈)」ではなく「独白(当時の再現)」に変われば成功です。
第3章
自己概念を照らし出す「問い返し」
4. 「自己概念の影」を捉える
「もっと**普通に**働きたいだけなんですけどね。」
CC
「〇〇さんのおっしゃる『**普通に働く**』というのは、具体的にどのようなイメージなのでしょうか?」
→ この問いかけが、CLの独自の価値観(自己概念)を浮き彫りにします。
5. 「自問自答」の促進:第三者視点
アナロジー:映画のメタ認知
「今、その会議室で立ち尽くしているご自身の姿を、少し離れたところから眺めてみると、どのような感じがしますか?」
【解説】
これが「人と経験を分離する」プロセスです。客観視(メタ認知)が生まれることで、固執していた自己概念から解放され、新しい意味づけが生まれます。
合格へのチェックリスト
JCDAの試験は、CLが自分自身への理解を深めるのを支援する場です。
